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RAKUTO神戸岡本校では、開校10周年を記念して、今話題の「生成AI」を使った特別授業を開催します!

開催に先立ち、小3&小1の兄妹に協力してもらい、模擬授業を実施。
今回は、模擬授業当日の様子をレポートします。

兄妹が教室に到着。
さっそく校長先生が授業の内容を説明します。

  • 校長先生

    今日はみなさんと一緒にAI(人工知能)を使った絵本作りに挑戦です!

  • 校長先生

    今回作る絵本の基本設定はこのような内容です。

〈基本設定〉

お腹を空かせたキツネの家族がいます。
お母さんギツネはお父さんギツネに食べ物を探してきて欲しいとお願いしました。

  • 校長先生

    とってもシンプルな内容ですね。

  • 校長先生

    あとの細かい設定は全て自由!

兄妹と一緒に物語の設定についてブレストします。

  • 校長先生

    まず絵本のタイトルを考えてみようか

  • キツネの大戦争!

  • 校長先生

    食べ物を探しにいくお話なんだけど・・・

  • じゃあ、キツネのごはん大戦争!

お父さんギツネと家族のほのぼのした物語を想定していましたが、出だしから音を立てて崩れていきます😂

  • 校長先生

    戦争とは物騒だね・・・何と戦うの?

  • 食べ物をめぐってサル・シカ・リスと大戦争するの。

戦う相手は具体的に決まっているようです。森の動物軍団とキツネの家族の戦いの物語にしたいようです。

  • 校長先生

    キツネは何人家族にしようか?子供の数は何匹が良いかな?

  • 1,000匹!

  • 校長先生

    それは多すぎ💦挿絵にも書ききれないだろうし、もう少し減らそうよ。

  • じゃあ100匹!

  • 23匹!

  • 校長先生

    まだまだ大家族だけど、23匹ぐらいがにぎやかで楽しそうだね!

確かに、子供が23匹もいれば食べ物はいくらあっても足りなさそう😱
家の中もいつも戦争状態になっていそうです。

  • 校長先生

    お父さんギツネやお母さんギツネについても考えてみよう。例えば職業とか、性格とか

  • 職業はギャング!

  • 校長先生

    え?

  • お母さんギツネもギャング!!

  • 校長先生

    え?え?

  • 子供はヤンキーがいいな

  • お父さんギツネもお母さんギツネも銃を撃つのが大好きなの。

  • 手りゅう弾を作るのが趣味

  • じゃあハチが入った手りゅう弾がイイ!

今時の小学生はギャングやヤンキーが憧れの職業なのでしょうか😎
想定外のアイデアが次々と飛び出し、どんな物語になるのか、校長先生もドキドキです。

  • 校長先生

    キツネの家族が住んでいるのはどんな場所が良いかな?

  • 洞窟!

  • 木の葉の家!

  • 校長先生

    木の葉の家だと、火事になったらよく燃えそうだね

  • 洞窟の中の木の葉の家にしよう

  • 校長先生

    他にもキャラクターの個性を設定してみよう。好きな食べ物とかは?

  • 野イチゴのパイとシュークリーム

  • 虫の煮込み!

先生も段々と兄妹の奇抜な発想に慣れてきました。
キツネなら虫ぐらい食べそうだけど、煮込みって何?

  • 校長先生

    物語の雰囲気はどうしようか?ハラハラドキドキ?ほのぼの?

  • 怖いのが良い、ホラー風!

  • ドキドキがいい!

兄妹で話し合った結果、物語全体の雰囲気はハラハラドキドキする内容にすることになりました。
ホラーじゃなくて良かった・・・と校長先生も少しほっとしています。

続いては、これらのユニークなアイデアをマインドマップという手法を使って整理していきます。
AIに物語を作ってもらうためには、「こういう物語にして欲しい」という指示をAIに伝える必要があります。
このAIに対する指示はプロンプトと呼ばれ、情報を整理してプロンプトを作成することにより、指示に近いアウトプットを生成してくれます。
こういった技術はプロンプトエンジニアリングと呼ばれており、AIが適切な情報をアウトプットさせるために必要な技術として注目されています。

兄妹のユニークな設定をマインドマップを使って整理したのがこちらです。

マインドマップの画像

設定の抜け漏れや、不自然な点を修正し、マインドマップに整理した内容をプロンプト(指示書)として文字起こしします。
こちらが、AIに読み込ませるプロンプトの内容です。

#命令書

あなたはプロの童話作家です。 以下の制約条件と入力文をもとに、子供向けの童話を書いてください。

#制約条件
  • 童話のタイトルは「キツネのごはん大戦争」です。
  • キツネの家族が食べ物をめぐって、サル、リス、シカの家族と戦います。
  • 戦いはウサギが野イチゴのパイを作って止めてくれます。
  • サル、リス、シカの家族は戦闘態勢をとります。
  • キツネの家族は、お父さんキツネ、お母さんキツネ、23匹の子ギツネです。
  • お父さんキツネとお母さんキツネの職業は本物のギャングです。
  • 子ギツネはヤンキーです。
  • お父さんキツネとお母さんキツネは蜂が入った手りゅう弾を作っています。
  • キツネの家族は蜂の入った手りゅう弾を最後まで使い続けます。
  • 子ギツネの大好物は野イチゴのパイです。
  • キツネの家族はシュークリームや虫の煮込み料理も大好きです。
  • キツネの家族は洞窟の中の葉っぱで出来た家に住んでいます。
  • 物語はスリルに満ちたドキドキする雰囲気です。
  • 物語は語り手のセリフを多くしてください。
  • 6歳の子供が読むことのできる簡単な文章にしてください。
  • 物語は1,500文字程度
#入力文

森の洞窟の奥深くにキツネの家族が暮らしていました。
キツネの夫婦には23匹の子キツネがいます。
食べる物が少なくなり、お母さんキツネはお父さんキツネに食べ物を獲ってくるようにお願いします。

本当に子供向けの絵本ができるのか、先生の方がハラハラドキドキです。
早速、プロンプトをChat GPT4.0に読み込ませます。

ものの数秒でAIが物語を作り始めます。

キツネのごはん大戦争

森の洞窟の奥深くにキツネの家族が暮らしていました。
お父さんキツネとお母さんキツネは、とても大切な23匹の子キツネたちと一緒です。
食べ物が少なくなり、お母さんキツネは心配しました。
「お父さん、食べ物を獲ってきてね」とお母さんキツネがお願いしました。

物語の序文は設定どおり。

お父さんキツネは、子ギツネたちを連れて食べ物を探しに出かけました。
彼らの大好物は野イチゴのパイ、シュークリーム、虫の煮込み料理です。
しかし、食べ物を求めて森を探検していると、サル、リス、シカの家族と出会いました。

早速、サル・リス・シカ連合軍に遭遇します。戦争が始まってしまうのか?

サル、リス、シカの家族は戦闘態勢を整えました。
「ここは私たちの領域だ!」と彼らは叫びました。
キツネの家族も負けじと、お父さんキツネとお母さんキツネが秘密兵器、蜂が入った手りゅう弾を用意しました。

戦闘態勢を整えてやるき満々の連合軍。早くも秘密兵器のハチ入り手りゅう弾が登場します。

  • 兄妹

    ハチ入り手りゅう弾だー!

兄妹は大興奮です。

「よし、戦うぞ!」お父さんキツネは勇敢に宣言しました。
子ギツネたちはヤンキーのように元気いっぱいで、戦いに備えました。

しかし、ちょうどその時、ウサギが現れました。
「待って!争いは良くないよ!」
ウサギは叫び、野イチゴのパイを高く持ち上げました。
ウサギは「このパイをみんなで分け合いましょう」と提案しました。

ついに大戦争が始まってしまうのか?
まさにハラハラドキドキの展開ですが、ここで設定にはない意外な登場人物「ウサギ」が現れ、野イチゴのパイを使って動物たちをなだめます。
意外な展開に子供たちはさらに大興奮です。

サル、リス、シカの家族もキツネの家族も、ウサギの言葉に心を動かされました。
お互いに向けていた戦闘態勢を解き、野イチゴのパイを一緒に食べ始めました。
子ギツネたちは、パイを食べながらキラキラした目でウサギに感謝しました。

なんと、動物たちは争いをやめて皆でパイを食べて仲直りをしてしまいます。
食べ物を分け合い、助け合って生きていく動物たち。子供向けの絵本にふさわしい展開に先生もひと安心。
プロンプトで指定した「子供向けの童話」という指示が効いているようです。
ギャングのキツネが食べ物を巡って引き起こす大戦争…という過激な設定にも関わらず、ちゃんと子供向けにハッピーエンドの物語を作ってくれたAIに感謝です。

物語の結末はこちらからご覧いただけます

大戦争にはならなかったものの、意外な展開が気に入ったのか兄妹はAIが作った物語がとても気に入った様子です。

  • AIすごい!

  • 最高!!

AIが作ってくれた物語を印刷し、続いてAIに挿絵を作ってもらいます。
画像生成AIには、ChatGPT4.0に組み込まれているDALL·E 3というツールを使います。

画像生成のプロンプト作成は小学生には少し難しいので、物語を基に先生が作成していきます。
AIが作ってくれた絵本の挿絵はこんな感じです。

秘密兵器「ハチ入り手りゅう弾」も見事に画像にしてくれました。
爆発すれば中のハチの群れが飛び出し、敵に甚大な被害を与えます。
その恐るべき威力とは真逆のかわいいイラストに兄妹も大喜び。

挿絵が揃ったらシール用紙に印刷して、いよいよ絵本制作にとりかかります。
絵本用の白地のノートに、印刷した文章や挿絵を貼っていきます。
どこで文章を切るか、どの挿絵をどの文章と組み合わせるのか、短い物語ですが意外と頭を使います。
子供にとっては文章構成を考える練習になります。

兄・小3

AIすごいなと思ったし、出来上がってからもっと自分でも作りたいと思った。
思い通りの絵を見つけるのは大変だったけど、それも含めて楽しかった。
絵本のかたちになるときにすごくワクワクした。
題名を考えるのには苦労したけど、自分のイメージをまとめるのにマインドマップはすごく役に立った。

妹・小1

先生が明るくてずっと楽しかった。
AIに話を作ってもらう前に、登場人物やストーリーを自分で決めたから思い通りのすてきな作品が出来た。
AIが描いてくれた絵がイメージと違っても「ここを~してください」とお願いするとちゃんと直してくれるから本にぴったりの絵を作れた。
「じぶんだけの絵本」が出来がったと思ったとき、うれしくなった。

切ったり貼ったり、約1時間の楽しい工作を経て、ついに世界で1つだけの絵本が完成しました。
きれいな仕上がりに兄妹も大満足!
早く祖父母に見せたいと、待ちきれない様子でした。是非、読み聞かせてあげてくださいね。